平成30年度講座内容
【第2回講座】グローバルを考える~自分の答えを創る力~(問題解決力編)
- 場所
- (一財)岩崎育英文化財団 岩崎学生寮(東京都世田谷区北烏山7-12-20)
- 放送予定日時
-
平成30年12月1日(土) 12:30~13:30 ホームドラマチャンネル 平成30年12月2日(日) 06:00~07:00 歌謡ポップスチャンネル ※以降随時放送
詳しい放送予定はこちら(ホームドラマチャンネル/歌謡ポップスチャンネル)
冨岡 武
(とみおか たけし)
ビジネス・ブレークスルー大学専任講師/
”Will&skills”ファシリテーター
ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学 経営学部専任講師(問題解決基礎)/Be-Nature School ファシリテーション講座 講師。
筑波大学 第一学群社会学類(政治学)卒業、BBT大学大学院 経営管理修士(MBA)。ブリヂストン、アンダーセン、デロイトトーマツコンサルティングを経てフリーランス。 共著に「組織バリューマネジメント入門(生産性出版)、「ファシリテーション 〜 実践から学ぶスキルとこころ(岩波書店)など。趣味は写真、トライアスロン、海外自転車旅。
講義内容
グローバル×問題解決。
グローバルとは“世界”あるいは“語学力”とか、そういうところだけではなくて、今日は“決め付けない姿勢”、“決め付けない考え方”です。だから、頭を柔軟にして。まず、自分自身がそうなることがすごく大切です。自分なりに考えたものをお互いに見せ合ったときに、新しい発見とか気付きがあったでしょ?「そうなんだ!」ってね。それ自体も決め付けない。違いを楽しむ、自分なりに考えたら、手放しちゃってさらけ出しちゃうんですね。
「どうだった?」、「へー、面白いね!」とか、「自分はちょっと、ここは考えてなかったな」とか、それも楽しんじゃってください。 学校で“問題解決”という教科ある方いますか?高校、中学を通じて“問題解決”を習ったことがあるは方いますか? 今日はいない。
僕は学生、新人に近い社会人の方から会社の取締役までこのテーマで(研修を)やっています。(それぞれの立場で)考えるテーマが変わるだけなので、(変わらない問題解決の)“考え方”を手伝っています。やっぱり、ほとんど(学校で)問題解決を習った方がいないんですよ。実は僕も習ったことないんですね。自分自身がすごく苦労したんです。もっと早くこういう考え方を知っておけばよかった。
今は(ファシリテーターとして相手の)問題解決をお手伝いする仕事に変わったものですから、「こういう問題解決の考え方を知った上で、一緒に考えませんか?」と、それをベースにずっとやっています。
みなさんも“問題”とか“解決”とか、言葉自体は聞いたことがあるだろうし、もしかしたら、毎日、“問題”という言葉を無意識に1回ぐらい言ってるかもしれないと思うんです。そこで、じゃああらためて、問題解決って何なの?ちょっと難しいなとか、堅苦しいなとか思う方がいるかもしれませんけども、そこは決め付けずに楽しんでみましょう。
じゃ、最初は“問題とは?”から考えていきましょう。今からみなさん、「これまでの人生で、産まれてから今まで全部で、自分で問題を解決した経験」を思い出してください。どんな経験だったかを、一番目にメモしてください。複数メモしていただいてもいいです。
二番目は、「その時、なぜ自分は問題解決しようとしたのか?」当時はいろんな感情、思いがあったと思うんですよね。何でそれをやろうと思ったのか?それを思い出してもらって、思い出したら言葉に変えてみてください。これも正解はない、自分だけのものですから自分の言葉が出てくると思います。
そしたら、最後三番目。「自分の経験から考えてみると、自分にとって問題とは、こういうことだと思います。」問題とは、自分にとってみれば、そういえばこういうことなんだなということですね。最後だけうまく言葉を探そうとか、恰好いいことを書くのではなくて、一番目、二番目と自分の経験を通過してから、どういう言葉が出てくるかを自分の中で楽しんでみてください。うまく言葉にならなかったりしたら、こんな感じかなというキーワード、キーセンテンスを書いておくだけでもいいです。
グループの中でシェアしたいと思います。一人一人が話し始めると、相手の経験が面白かったり、盛り上がると思うんですけど、今日はちょっとそこはカットさせてください。
結論から話して下さい。三番目をズバっと話してもらえますか?「自分の経験を思い出してみたら、自分にとって問題とは、こういうことだと思いました。」だけです。まずはそれを全員でシェアしてください。
結論だけまずシェアをして。語っちゃ駄目。結論だけ聴いて、他にも聴きたいところがあると思うんですけど、きっかけはお互いにできたので、関心があれば後で聴いてみてください。
さこー、1から6で好きな数字を。
さこー:
3。
冨岡:
3。じゃ、(各グループで)3番目に話した人が発表して。たまには後ろのグループから。
まつきよ:
問題とは、日常生活の中で自分が気になって、嫌だなって感じたことだと思います。
windy:
私は、問題とは思い通りにはならなかったけど、思い通りにしたいことだと私は思います。
さら:
問題とは、クオリティ・オブ・ライフの障害だと思います。
冨岡:
クオリティ・オブ・ライフの障害・・・。みなさん、クオリティ・オブ・ライフは分かる?QOL。その言葉はどこで自分のものになったの?
さら:
授業で出てきました。
冨岡:
授業で出てきたんだ。クオリティ・オブ・ライフね。じゃ、こちらは?
にしみか:
問題とは、自分自身を成長させてくれるもの。そして、自分の考え方を改めて、見つめ直すことができる、いいきっかけだと思います。
冨岡:
はい。ありがとうございました。にしみかはいいきっかけになったって経験がある?
にしみか:
はい。
冨岡:
そうだね。そういうの聴きたくなるんだけど、ちょっとここでは抑えて。
みんな自分の答えを創ってるよね。すごくいいね。
これ、何にも言わずにやると、特に会社の人とか“現状とあるべき姿のギャップです”という言葉がよく出てくるんです。僕もその言葉をどこで知ったのか・・・。
だめではないです。いつも“問題とは現状とあるべき姿のギャップだ”と考えて生活してる人はそれでOKです。でも、そうじゃない人は、それは与えられた答えみたいなものだから、自分でまず問題って何だろうって考えてほしい。問題解決において、一番早い解決法は、“これは問題じゃない”ってすることなんです。そうすると終了。それがいいことも結構あるんですけどね。
“問題”ってよく使う言葉だけども、何なんだろうというところから問題解決をスタートしましょう。
今日は学校で習ったことある人が誰もいなかったですけども、僕が普段お手伝いしている企業の研修では“問題解決”のテーマは非常に需要が高いです。言葉自体はなんとなく硬いし、難しいイメージがあるかもしれませんけども「自分で考えて答えを創る」というやり方にちょっとでも関心を向けてくれるとうれしいです。
今さっきシェアしてもらった言葉は、僕は非常に分かる。どれも自分の経験に根差してるから、それはその人にとってみれば正解だよね。相手の言葉もヒントにしながら、ぜひ自分の言葉を創っていってください。
この(“問題解決”の)テーマを長くやってきて、僕自身もずっと考え続けてきた“問題とは?”何かについて、3つだけ(解説を)挙げます。この辺はみなさん共通してないでしょうか?自分の経験に照らしてみてください。
一つ目。“自分の思い”が創り出してませんか?その時、「何とかしたい!」とか、「乗り越えたい!」とか、「逃げたくない!」とか、「もう嫌だ!」とか。あるいは、「もっとすてきな状態にならないかなぁ」とか。現状に対して、何らかの“自分の思い”が重なる。僕は重なるという表現を使うんですけど、重ならないことは問題にならないんじゃないかな、と思うんです。勉強でも、遊びでも(そう)。あるいは、自分は望んでないけど、目の前に起きた困難に対してもね。
たとえば、片付いてない部屋があるとしましょうか。かなり散らかってる状態にしましょう。これは“問題”ですか?
これぐらいだったら「まあいいか」と思ったら、それは問題にならない。「もう嫌だ!」ってなったら、それは問題になりますよね。結構、その辺りは人によって違うんです。一見すごく片付いてるように見えても、あそこが曲がってるのが「嫌だ」って思う人にとってみれば、それが問題だったりしますよね?
だから、あくまでそこには現状、事実があるだけ。その現状に対して、自分のどんな気持ちが重なるか?ここのところが自分で考えて問題を創っていく上で、スタートラインなのかなと思います。組織やチームで動くときには、そこが人によってレベルが違うので、この思いだけは共通で持とうよと、そういうこと(問題のレベル合わせ)を最初にやるんですね。
もう一つ。みなさん、(自分の問題を解決した経験を)思い出してみて、その時点においては“難しい”ことではなかったですか? 簡単なことってすぐ解決しちゃうから問題にならない、あるいは、問題として残りにくいんですね。なので、問題解決をするときの最初の姿勢として、「今から難しいことやるよ」と思っておくことができるとすごくいいですね。
ところが、いろんな理由で、間違っちゃいけないとか、間違うと否定されるという気持ちが強くなると難しいことから逃げたくなるんです。難しいことはみんなが逃げたいと思うから、やっぱり残っちゃうんです。最初から「問題は難しい(ことが当たり前)」という考え方を持っておくと、難しいことに対して「任せてください」と言いやすくなったりするかもしれません。
(三つ目は)僕は“マイナスからゼロ”と“ゼロからプラス”という表現をしてるんですけど、“問題”というと、辞書を引いてもそうなんですが、どちらかというとマイナスのイメージですよね。現状では良くないというものが“問題”。だから、問題解決という言葉を聞くと「何となく嫌なんです」という印象を持つ方も多いんですよ。
でも、悪い状態を何とかするというのもあるんですけど、僕は“ゼロからプラス”もあると思うんですね。“ワクワクするようなことをもっとやってみようよ”、“難しいしやり方は分かんないけど夢みたいなこと追ってみようよ”、“今はできないけど、やってみたいことがあるからやってみようよ”とか、こういうのはぜんぶ“問題”になると思うんです。
ただ、ちょっと哲学的になってしまうんですけど、この(マイナスとプラスの境界となる)“ゼロの水準”というのは、その人だったり、会社に入れば、その会社がどの辺がゼロなんかを決めてたりするんです。“世界で金メダル取りたい!”なんて(レベルを目指している)会社入っちゃうと、「3位じゃだめだ!」って言われるかもしれないです。
一方で、新しいものを創っていくところ(ベンチャー企業)では「今までは圏外だったけど、やっと6位に入賞した!すごいなぁ!」って言うかもしれないですよね。自分たちで“ゼロの水準”とメッセージの出し方を、状況に応じて、一緒にやってく仲間に応じて、変えてくんです。自分の中でも“マイナスからゼロ”、“ゼロからプラス”、この感覚を持っててください。
問題解決的には、どちらも難しい。もしそこに自分が当事者として関わっていたら、どちらでも大変です。けど、これから就活していく方はその会社はよりどちらに時間を取られるかな、とか考えてみて下さい。
僕はコンサルティングの仕事で、いろんな会社に携わったんですけど、これを一つの見方にしてます。この会社は“マイナスからゼロ”のテーマがいつも多いのかなとか、“ゼロからプラス”が多いのかなとか。
“マイナスからゼロ”ばっかりやってるところは疲れています。良くない状態を直そう、直そうなので。暇な会社というのはあんまりないんですけど、(“マイナスからゼロ”の会社は)疲れてる感じかな。
逆に、“ゼロからプラス”の会社はきついです。無いものを創ろうとしてるので。「何がしたいの?」と(常に)正解が無いものを自分たちで創っていかなきゃいけない。楽しいけどきつい(=「たのしんどい」)っていうのかな。
今度は具体的に(自分の)問題の中身を考えてみましょう。その際、“型”と呼んでいるんですけども「こんなふうに当てはめて考えてみてください」とお手伝いをするものが“型”です。(これを使って考えてみましょう)
自分の中で“何とかしたい!」テーマがあったら、(左下に)「現状」を事実ベースで書いてください。(右上の)「どんなふうに?」は“いいイメージ”です。この段階では解決できなくていいんです。ある意味無責任です。「こんなふうになったらすてきだな」いうイメージを書いて下さい。そして、(真ん中のハートマークには)現状に重なる「自分の思い」です。書く順番は、「現状」、「(現状に重なる)自分の思い」、「いいイメージ」がいいですね。
特に「思い」と「いいイメージ」を自分の言葉で書いてみると、自分がなんとなく頭で思ってたことが明確になっていくんですね。
“現在問題”、“将来問題”と2つに分けました。自分の中で、悪い状態を何とかしたいものを“現在問題”。別に悪くはないけど、もっとこんなだったらすてきだなってものを“将来問題”と今日は呼びます。「こんなふうになったらいいな」とか、「やってみたい」とか、「もっと良くしたい」とか、ここでも“決め付けない”姿勢が大事なんです。「嫌いだから」とか、「できないから」とかじゃなくてね。
今からまたワークシートをみなさんにお配りします。個人ワークの時間です。
現在の難しいけれど何とかしたいこと。また、将来の難しいけどやってみたいこと。
じっくり考える人もいれば、さっと考えられる人もいるので、時間の使い方は自由です。
じゃあ、お互いの“問題”について聴き合ってみたいのですけど、今度は結論だけ発表だけするのもつまらないので、相手に「どうして?」とか、「どんなことがきっかけなの?」とか、深く聴き合えるやり方をしたいと思います。
“相互インタビュー”というんですけど、2人一組でやります。お隣の人でお願いします。会社だと上司と部下(のペア)はちょっと勘弁してくださいとかたまにありますけども(笑)、今日は大丈夫ですか?
話すときに少しだけ椅子を相手側に向けるといいかもしれないですね。お隣同士にしたのは意味があります。向かいの側の人というのは、基本的に対立関係です。利害が反する場合には対立して、正面で向き合って話します。机を離すとなおさらいいですね。友好条約がない国同士が話すとき、外交で条件がまだ合意しない場合、テレビで見てても机を離して話をしていますよね。で、合意した後はどうするかというと、首脳同士が親しげに横に並びますよね。関係性が反映されているんですね。
一番親しいのは、ベンチに横並びで座ることなんです。そこまで親密な関係できてない場合には、ちょっと斜めにして話すとか、、机の角と角で90度に座ってみたりすると話しやすいと言われています。
僕もあんまり得意ではないんですけど、人の目をずっと見ながら話すのって、僕らはあまり習慣としてないですよね。でも、やっぱり相手の顔はしっかり見ながら、話は聴いてほしい。ずっと見ていなくても、時々しっかり見ながら話せる、いい感じの距離感とか形を自分たちでつくってみてください。
今から話してもらうのですけども、“相互インタビュー”、僕は“気持ちインタビュー”とも呼んだりしています。相手の気持ちをしっかり聴くというものです。
3つほどインタビューの基本があります。僕もたくさんの人たちにインタビューをしてきて、初めは自分の知りたいことばかり聞いていたのですけど、大事なことを聞き逃がしちゃうんですよね。人の話が聞けない人だったんです。
まず、気持ちまで聴く。聴いてるつもりなんだけど実は聴けていない。言葉だけを聴くのではなくて・・・人ってうまく言葉にならないことありますよね。「どう最近元気?」とか聞いて「うーん、まあ元気かな。」って時。言葉では「元気かな」って言っているけど、その人は明らかに元気がなさそうですよね。その人の醸し出してるものがあるわけです。
なので、ぜひ相手の気持ちにちょっと入り込めるなら入り込んで、しっかりと(気持ちまで)聴いてあげる。相手の気持ちがわーって溢れてくるのだったら、今日はそのままでいいです。しっかり聴いてあげてください。
ただ、話がちょっと途切れたときに、余裕があれば質問してほしいんです。その時に、自分の興味関心があることばかりを訊くのではなくて、“相手のために質問”してあげてください。こういう(“相手のための質問”)スイッチを入れるということを覚えておいてください。そうじゃないと、相手が話したいことと全然違うことを訊いてしまうんです。「え、そっちを訊かれる?」、「今話したい、聴いてほしいのこっちなんだけど」ってなるんですね。
やっぱり相手の“強い気持ち”が出ているところ。「やってみたい」とか「迷っている」とか、そういうところを、受け止めながら質問します。質問はそんな難しいことではないです。相手がそれをもらうと、またちょっと考えるきっかけになればいいんです。僕は、「(その気持が強くなったのは)なにかきっかけがあったの?」という聴き方をよくします。なにか変化点があったのかなと。「なにがきっかけでそれを始めたの?」とかね。相手の気持ちがいっぱいあふれていたら、「これと、これと、これと、あるんだね。特にどこが強いの?」とか、ほんのちょっとですけども、“相手が考えるお手伝い”をしようという気持ちがあると、相手の気持ちに寄り添って質問ができるかもしれません。もし難しければ、自然体で構いません。
最後。相手の“問題”を聴いているので、ついつい出てくるかもしれないのがアドバイス“です。「どこか痛い」って聴けば、「あそこの先生いいみたいだよ」とか、解決策を一緒に考えたくなってしまうんですけども、それは親切心かもしれないですけど、”アドバイス“は求められたらするのが基本だと覚えておくといいです。今日は相手の話(問題)を聴いて、「そんな”思い“があって、こんな”イメージ“を描いているんだ」と一緒に味わってあげる、そんな時間にしてみてください。
先に聴き手になる人はこれを意識してやってみてください。じゃ、自分の問題やってみましょう。
はい、しっかり聴いてくれる人がいると、自分一人で考えるのとはまた違って、しゃべりながら自分で気づきが生まれる。ちょっと質問されると考えながら、またそこで自分の新しい気づきが生まれたりします。そういう友達を1人2人持っておくと、お互いさまでやり合えるのですごくいいですね。
それぞれ二人の世界で共有していただいたので、今度は隣のペアの人の問題も共有しましょう。他己紹介っていうんですけど、たとえば、さこーとテツヤだったら、さこーが、「テツヤの問題はすごい良かった、伝わってきたよ」とか、隣の人を紹介してあげてください。
自分で言うのもなかなか恥ずかしいから、相互インタビューで聴いた人が、「これがステキだったんだ」とか「こういうとこはシェアしたいな」とか紹介しながら、気持ちが伝わってくる問題を1つ選んでもらっていいですか。
お互いに他己紹介でシェアしながら、いいと思う問題を1つ選んでください。
(グループで選ばれた)代表の4人に書いてもらいましたけども、いろんな人のを見せてもらうのもすごい勉強になるんですよね。だから、書いてくれた人は、照れないで話してみてください。発表というよりも、「私はこういうことやってみたい」とか「何とかしたいんです」ということを伝えてくれればOKです。全部正解はないから、自分の言葉で。
その時に、これはマイナスからの“現在問題”なのか、悪くないんだけどもやってみたい“将来問題”なのかが分かるようにだけ、伝えていただければと思います。
ロミー:
コンビニでバイトをしてるんですけど、現在問題として、バイト先の廃棄がとても多いんですね。その廃棄って持って帰ることができなくて、捨てるしかないんですよ。それがほんとに素直にもったいないっていうのがあって。もしかしたら、その廃棄分の売り上げが上がったら、自分の利益にもなるかもしれないから、廃棄がゼロになったらいいなってとても思います。
冨岡:
はい、ありがとうございます。(拍手)一番強い気持ちってどこですか?そうだね「もったいない」だね。結果的に給料も上がればいいかもね(笑)。どんな感じなのかな?「あぁ、これもったいないなっていうシーンは?」
ロミー:
お弁当とかが20~30個捨てられちゃったりとか。置き場があるんですよ。廃棄のやつを登録して、そこに持っていかなきゃいけないときに、袋に詰めるんですけど、「めっちゃ多いな」みたいな。
冨岡:
これ難しいよね。廃棄ゼロにするとか。ほんとに給料上がるかどうか分からないしね。でも、思うことがやっぱりスタートで、思わないと何も起きない。思ったのだったら、次に(問題の解決を)考える“手順”があるので、もしよければ、そこに繋げて考えてみてください。
まつきよ:
現状で感じてる問題は、学生だけど、思ったより勉強してないこと。学生だったら、特に大学生なら誰しもちょっとは感じるんじゃないかなと思うんですけど。自分がそう感じてる一番強いきっかけは、今、隣の部屋の人が、いつも自分の確固たる目標、学者さんになる、研究するって目標のために、頑張ってひたすら勉強してるのに、自分の理想は明確な目標があって打ち込んでるって姿なんですけど、自分は逆に学ぶことが自分のしたいことに対して多過ぎるように感じて、いろんなことが中途半端になって、逆に何もできてないんじゃないかっていう思いを持ってます。
あと、嫌だなって感じるのが、わざわざ東京まで出てきて、しかも学費も結構たくさんかかってるのに、これでいいのかな?って感じてるのに何もしない自分がもっと嫌で…みたいな感じになってます。
冨岡:
はい、ありがとうございます(拍手)。どう?うんうんという人と、いいじゃないかという人と、いろいろあると思うけど。このシーンね、自分でも話していたけど、思ってたより勉強してないなって特に思い始めたきっかけって何?。
まつきよ:
入学してから、2カ月ぐらい経ってから、「あれ?大学生って勉強しないんだな?」って(笑)。だから、自分でしないと、しないんだなっていうのを感じて。でも、できないなって。
冨岡:
(ホワイトボードを指しながら)ここ、特に強い思いってどの辺? 言葉にするとどんな感情。
まつきよ:
一番強いのは、やっぱり何していいか分かんなくなっちゃった。
冨岡:
「何していいか分かんない」ね。「中途半端」という言葉が書いてあるから僕は質問したんだけど、「何していいか分かんない」が言葉になったら書いておくといいとね。「何していいか分かんなくなってる」。だから、ここは? いいイメージが難しいけど…。
まつきよ:
明確な目標があって、打ち込んでいる。
冨岡:
明確な目標、たとえば、どんなのがあればいい?
まつきよ:
自分は元々、高校の頃から政治家になりたいなと思ってて。政治家の扱う範囲ってすごい広いと思うんですけど、でも、自分がその全てをできるわけじゃないから、何か1つに絞ったほうがいいのかなって思ったりします。でも、全部したいし…、みたいな欲張りな自分がいるので。逆にどうしていいか分かんない。
冨岡:
分かんないよね。これは正解もないし、簡単なアドバイスもしようと全然思わないですけど、是非、まずこの気持ちを自分自身で書いてみる、あるいは、聴いてもらうってことで、少しまた違うヒントがあるかもしれない。打ち込んでる、こういう自分になりたい。すごく等身大で思いのある、いい問題の定義だと思います。
windy:
私は部活で、マネージャーをしてるんですけど、まだ入ったばっかりで、できる仕事も少なくて。やっぱり今いる先輩たちみたいな、いろんな仕事ができて、チームに貢献できるようなマネージャーになりたいなって思って。審判の資格をちゃんと取って、審判員として動きたいなと思って、一番最初に受けられるのが4級審判で、今3年生の先輩も4級なんですけど、自分は現役中に3級審判を取って、公式戦とかの審判にも入ってみたいなと思ってます。
冨岡:
はい、ありがとうございます。(拍手)ちなみに何のマネージャーを?何の競技?
windy:
ラクロスです。
冨岡:
ラクロスのマネージャー。ここ(“いいイメージ”)がすごく明確だよね。まつきよがちょっともやもやとしながら書いてるのに比べて、逆にWindyはすごい明確に書いてある。
でも、ここ(“思い”)に「いろんなことが・・・」って書いてあるのは、他にも何かあるの?
windy:
普通にマネージャー業として、ドリンク作ったりとか、ビデオ撮ったりとか、そういうのもあるんですけど、普通のマネージャー業に加えて、審判もやりたいなって。
冨岡:
何となく今聴きながら、マネージャーとしていろんなことができる、仕事ができる。なんか分かんないけど、役に立ちたいって感じが伝わってきたんですけども、そうすると、3級審判を取ることが、どうチームに貢献する、役に立つイメージにつながるの?
windy:
自分がそういう、ちゃんと高い位の審判をできるようになったら、練習でスクリメージっていう組織練習みたいな、試合っぽい練習をするときに、ちゃんと公式戦をイメージしてファールの笛をちゃんと吹いてあげることもできるし。その公式戦に向けた練習に、結構関わっていけるかな。
冨岡:
そういうイメージが明解になったときに、「そうか、3級審判を取るということは、公式戦に向けた練習の質を上げてくとか、もっとチーム強くすることに貢献できそうなんだな」と伝わってくるので、よりそこが自分にとってぶれない問題になってくのかなと思いました。すごく明確でいいね。ぜひ取ってください。ありがとうございました。
じゃ、もりもと。
もりもと:
先生のおっしゃる将来問題として、一応考えていて、現状悪くないところとして、自分の生活に現時点で満足しているっていうところですね。自分のために使える有意義な時間があって、趣味とかに使う時間があったりとか、友人関係とかでも大した問題が起きずに円満に生活できていて、特に問題はないんですけど、たまに思うのが、友達に「おまえは結婚には向かないよ」とか言われるし、僕自身もあんまり向かないだろうなとも思って。
あとは、独りの時間のほうが好きなので、結婚しなくてもいいかなと思うんですけど、たまに夜に独りでお茶とか飲んでるときに、このまま独りで老後を迎えるのは、ちょっと寂しいかもって思いが、最近自分の中で芽生えてきて、やっぱり温かい家庭を持って、娘とかを溺愛してみたいなって。男親だったら、娘のほうがかわいく見えちゃうのは仕方ないと思うんで、奥さんがいて、かわいい娘がいて、小学校の入学式の写真撮ったりとかしたら、多分人生のピークみたいな幸せになると僕は思うので。そういう生活ができればいいかなっていう感じです、それが将来的な問題です。
冨岡:
ありがとうございます(拍手)。たとえば、思いのところで、一番強いのってどの辺?
もりもと:
「寂しい」です。
冨岡:
特にどんなときに寂しいなって感じるの?
もりもと:
普段は感じないんですけど、独りで何もすることがなくて、予定もなかったりとかして、家に帰ってきて「あー、独りだ」と思ったりした時とか。あと、独りで映画見るの好きなんですけど。部屋で見てたりして、「これ誰かと見ることあるのかな?」と思ったりとか、ぼーっとしてるときに、突然ふいに「あー」って、将来的な不安がよぎります。今は楽しく、独りでも大丈夫でも、もし70歳とか、ヨボヨボのおじいちゃんになって、家で独り寂しく内職とかしてたらつらいなと。
冨岡:
つらいなってね。分かるよって言っていいのかどうか分かんないけど。これ僕なんかは話を聞くくことありますよね。僕らの世代なんかになると、結構笑えなくなってきたりするんですけど。「最近、バツが付いたりして寂しいんだよ」、みたいなね。でも、もりもとは若いよね?
もりもと:
まだ若いですけど…。
冨岡:
でも、これが下りてくるっていうのは何なんだろう?正直もっと深く聴きたい気持ちもあるし、聴いちゃいけないんじゃないかって気持ちもあるし。だから、別に無理して話さなくてもいいんだけど…何かあるの?
もりもと:
最近だと、友達の子どもが産まれたりとか…そういうのを見ると、自分もそういう世代になってきたのかなとも思いますし。将来、だいぶ先のことだと思ってた、結婚とか出産みたいなことが。僕は出産しないですけど(笑)。そういうことが意外とすぐそばにあるのかなっていうの。
就職とかも、高校生の時とかは、就職なんて、仕事に就くなんてだいぶ先だろとか思ってたんですけども、自分1浪で大学2年生なんですけど、3年生の友達とかはもう就活を始めてたりとか、インターンしてたりとか。遠いはずだったものがどんどん近くになってるのが、どんどん大人になってしまっているのかなっていうのが悲しいなと思いながら。
冨岡:
遠いものだと思ってたのが、もうすぐ先とか目の前にあるっていう感覚ね。ちょっと分かる気がするよね。そういうところはね。みんなにも多かれ少なかれ、テーマは違うけど、きっとそういう焦りみたいな気持ちあるんじゃないかな。そうか、友達が結婚して子どもができてた。そういうイメージがあるっていうのね。これは何となく唐突感があったり、ここまで飛躍するかとか思ったんだけど、そういうのがイメージとしてあるのね。
僕も一人娘なんですけど、溺愛して。もりもとの話だともう人生のピーク過ぎてますから(笑)、そうならないように自分で将来問題を創って上げていかなきゃいけないんですけどね。
こういうの、早めに自分でイメージしておくというのは、悪いことは何一つないと思います。きっかけはいろいろあると思いますけども。じゃ、ありがとうございました。
こういうとこで話すのはちょっと恥ずかしかったり、自分の思ってること全部出す必要もない、出し切れないとこもあると思うんですけど、それぞれの、自分なりの等身大な思いが重なってる。
問題解決は学校では教えてもらわないし、でも、会社に入って難しい大事なテーマをやるときに、学ぶ機会をたくさんの会社がつくっていますよ、と言いました。
“ロジカルシンキング”、“論理的思考”の文脈の中で”問題解決“を教えてくださいという依頼が結構あるんです。ロジカルは(シンプルに)”結論“と”理由“と言いましたけど、もう一つは筋道があることなんです。それに加えて、ファクト(事実)ベース。
(でも、“ロジカルシンキング”と“問題解決”とで)何が一番違うかというと、ここなんです。“(自分の)思い”があるかどうか、なんですね。
やっぱり現状に対して悪い、あるいは、悪くないけどもっと良くしようと考えたときに、自分の“思い”が重ならないと、難しいことを考えるのも面倒、億劫だし、実行してうまくいかないときにも続けられないんですよね。
いきなり仕事じゃなくても、日常の中のちっちゃいことで、やるやらないはともかくとして、自分の思いをすっと重ねてみる。「難しいけども、これがこうなったらすてきだな」と。そのうちの幾つかがほんとにスイッチが入ってやってみることがあるかもしれない。
なので、自分の気持の中で変にブレーキかかってるんだったら、“思う”ところでまずはブレーキを少し外してみる。そんなきっかけにもなればいいなと思って(自分の問題を定義するワークを)やってみました。
今日は先輩後輩関係なく、フラット(対等)なクラスメートとして(ワークを)やりました。この対等な関係性は“お互いさま”だからできるんです。自分なりに考えたなと思ったら「ちょっと聴いてもらえますか」ってね。相手がしっかり聴いてくれるスイッチを入れてくれると、すごく気付きになります。そんな人間関係、友達をどんどんつくっていってください。
さて、「グローバルに共通する仕事のできる人は?」って書いてみました。
(みんなが)働きたいか働きたくないかは別にして。
一つは、僕が出会った中で本当に仕事できるなって心から思ったのは、「難しい仕事を任せてくださいと引き受ける人」「
僕自身が難しいことから逃げたい気持ちがあった。できなさそうだとか、どうやっていいか分からないときに、本当にできる人は、どうやっていいか分からない仕事を「任せてください」って、すっと引き受けます。
「自分と周りの人、会社だったら社員、お客さま、取引先、株主、社会ね、をワクワクさせる明るいビジョンを示せる人」は、本当にすごいなと思います。いつも(ビジョンの)アイデアが出るわけじゃないんですけど、いつも考えています。いつも考えているから、ある時、ポッと出ることがあるんです。
マイナスからゼロ(の現在問題)は、与えられると結構できるんですよ。だけど、ゼロからプラス(の将来問題)を創っていこうと思ったらきついです。特に(組織の)リーダーはきついです。何をしたらいいんだろうかいつも考えてるし、いつも悩んでいますね。こういうのを明るく出せる人は本当にすごいなと思います。これは“高い目標”ではないんですよ。ただの“高い目標”はきついし、みんなやりたくないって言うのね(笑)。これ(ワクワクするビジョン=将来問題が)あって、目標が付いてくる感じです。
最後。難しいことをやると失敗するんです。僕もしたくはないけど、いっぱいいろんな失敗をしてきました。その失敗経験をユーモアのある笑い話にできる人に出会って、こういう人はステキだなと思ったんですよね。人って成功体験よりも失敗体験を聞く方が親近感が湧いたりするんです。みなさんも、こういう機会をきっかけにスイッチが入って、難しいことをやってみたいなと思ったとして、でも、やっぱり失敗したらどうしようとか、否定されたら嫌だなって気持ちもあると思うんです。大丈夫。失敗は自分の笑い話にするという再利用の方法があるので、恐れずにどんどんやってみてほしいなと思います。
じゃ、最後のまとめをしましょう。
今、特に“思い”を大切にして自分の問題を創ってみました。「(問題を)定義する」と言いましたけども。「何とかしたいな」と本当に思ったら、その先を考え続けていけばいいと思います。それが(問題解決の)考え方。問題 ~ 課題 ~ 解決策♪。問題~課題~解決策♪。ちょっとリズムに乗っちゃって。「そうか、問題が明確になったら、問題~課題~解決策♪って考えるんだ」と思ってください。問題 ~ 解決策じゃないです。問題 ~ 課題 ~ 解決策♪ね。
これは“課題”を説明してるものです。“問題”と“課題”って普段みんなは使い分けてるかな?もしかしたら似たような言葉として使っているのではないかと思うんですけども、あえて今日はそこを使い分けて考えてみたいと思うんです。
(この例は)僕のコンサルティングプロジェクトで品質不良繰り返してる会社だったんですけども、最初は業績が悪いから(解決策として)社員の評価の仕組み、お金の仕組みを変えたいと。
僕は当時そういう人事制度を設計していたので、自分の仕事として受けたかったんですけど、プロジェクトの最初にその会社でさっきの気持ちインタビューをやっていったら、こういうのが出てきたんですよ。「製品が不良を繰り返す」。これ最初は知らなかったのですけど、調べてみたら、どうもこれが社員の気持ちを相当に下げている。
特に一番優秀な(営業の支店長の)方が、「私が折れたらこの会社はもう駄目になっちゃう」ということで、一生懸命これ(品質不良に対する顧客クレームを)を食い止めようと、お客さんに謝っていた。でも、「もう嫌だ!」っていう気持ちを聴いたので…。
だったら、人事制度を変える前に、製品が不良を繰り返してるなら、それをなくして、「(営業担当が)お客さまに自信を持って勧められるようにしましょう」と(社長に)提案したんですね。ここが“解決の鍵”ではないですか?と。そうすると、解決策がポーンと変わってしまったんです。
この“鍵”にも正解はないんです。だから、仮説を立てて、(事実で)調べてくんです。
正解はないけど、この“解決の鍵 = 課題”を発見してから、じゃあ、具体的にどうするの?と解決策を考える。問題 ~課題 ~ 解決策♪、この手順で考えることを今日は体感してみたいと思います。
みなさんに今からワークシートを配ります。まず考えてみたい自分の問題を左側に書いてみてください。現在問題なのか、将来問題なのかはどちらでもいいです。書けた人は自分の中で問題 ~ 課題 ~ 解決策のつながりがあるかどうか。そこが“鍵”だなという実感が自分の中にあるかどうか。そこ(“鍵”)に対して解決策がつながっているかどうか。
自分なりに考え抜いたら、今度は、自分のものを見せる代わりに、他の人からも見せてもらって、お互いに学び合う。(お互いの)違いから学んでしまうことをやりましょう。
すいません、僕が話し過ぎたというのもあるんですけど、個人ワークを含めてまったりとした時間に突入しているので、ちょっと身体に動きを出しましょう。
ホワイトボードにそれぞれ書いた紙を貼って、作品だと思って立って観賞しよう。左から右に読ませてもらう。今はプレゼンはしなくていいです。まずは、グループの中で自分以外の人のものを見せてもらってください。
こういうの(問題 〜 課題 〜 解決策で書くワークシート)を“型”というのだけど、同じものを使ってると、説明しなくていいでしょ。見れば分かる。まず、全部読ませてもらって、ポイントだけぽんぽんと説明する形でやるとシェアが早い。読んだ後、「ここを聞きたい」とか、「(問題 〜 課題 〜解決策)つながってる」とか、「何でこれが“鍵”なの?」みたいなことを自由にグループの中で話してみてください。
ここにあるものは、今みなさんが創った作品です。美術館方式と呼んでいますけど、それぞれの作品を観賞させてもらいましょう。せっかくこれだけたくさんのいろんな問題、課題(鍵)、解決策を考えたものがあるので、自由に廻っていいです。自分のためにいろいろ見せてもらいましょう。自分なりに面白いなとか、つまんないなとか、これ気に入ったなとか、似てるなとか味わいながら、全部見たら席に戻る。
本当に難しい問題。でも、「やってみたい!」、「何とかしたい!」という強い思いがある場合には、この“鍵”を見つけるというのがすごく大切なんですね。鍵が見つかれば、じゃあ、具体的にどうすればいいんだ、その鍵が実現できるように何をしたらいいんだ、とつなげていくんです。仕事でもそうですけど、その“鍵”が分からなくて、仮説 → 検証、仮説→検証とやるんです。でも、そこは、いつか思い出していただければいいです。
まずは、解決策が分かっているのならばコピペをしましょう。すぐやって、解決。でも、どうしていいか分からなくて悩んでいるのだったら、悩むエネルギーを「“鍵は”何だ?」と探す、発見するエネルギーに置き換えていただくといいと思います。
自分の問題で一番のキーワードになる言葉はありますか?そこに赤ペンがあれば、線を引いてみようか。あるいは、一番大事な言葉を書き忘れているなと思えば、赤で書いてみる。
ここは曖昧だなとかあれば、たとえば、「英語力って何だ?曖昧だな」と思ったら、そこに書いていた方が明確になる。
僕は「手放さない」という表現をよく使うんですけど、そうやって、自分の問題を手放さない。曖昧だったら、考え続けていけばいいんです。そこに対して、鍵っててつなげていきましょうか。じゃあ、(書いた問題の中で)一番大事なのはここなんだよって言葉に対して“鍵”を考えるとどうつながるのか?もし、本当にそれが自分の問題だったなら、そんなふうにして、考え続けてみてください。
ぜひ、みなさんも、この問題~課題~解決策。なんかこう大きくて、難しいなとか、悩んでて進まないなという問題。あるいは、将来問題。やってみたいな、けど、一歩踏み出せないなという時には、その先を考えて、リズムだと思って、もしよければ、これからも続けてやってみてください。
実際に、やってみようとすると、うまくいかないこともあります。“鍵”が曖昧でつながっていないとかはあるんですけど、自分なりに最後まで考えた後は、解決策をぜひやってみましょう。そこまで考えたら、せっかくだからやってみる。でも、うまくいかないときが必ずあります。難しいことですから。難しいことは失敗してもいいって、先に知っておいて。(問題は最初から難しいこと)だから、あの手この手を尽くして、粘り強くやりましょう。
実行してもうまくいかなかったら、何か違うんだろうな、何か間違っていたなと思うんです。最初は解決策を変えてみましょうか。“鍵(課題)”はこれだと手応えがあるものを選んだならば、初めは変えない。解決策を変えてみるんですね。それでもうまくいかないなとなったら、“課題=鍵”まで戻っていいです。“鍵”を違うとこに置いてみようかと戻るんです。
筋道で考えるというのが論理的思考の(要素の)1つなんですけど、こういう(問題 〜 課題 〜解決策の)手順を自分の中で1つ持っておくと、難しいとこをやっていくときに、もやもやしても、「今はここで悩んでいるんだ」とか、「ここまで戻っていいんだ」とか、自分がやっていることを客観視できます。あるいは、チームで何かを相談する、決めてくときにも、そもそも“問題”から考えていくのか?、そこはもう明確だから、“鍵”を見つけたいのか?、効果のある具体的な“解決策”なのか?、こういうことを意識し続けると、知らないうちに自分の中に(問題 〜 課題 〜 解決策の手順で考える論理的な)思考回路ができてきます。
じゃあ、最後に振り返り。今日一日何をしたのか。
「グローバルは怖い?」からスタートしました。世界という意味はもちろんありますけども、グローバルとは、今日は、「決め付けない姿勢とか考え方」だよ。自分の知っていること、成功体験で決め付けることがありますけど、決め付けないで“まるっと”楽しんでやれとね。グローバルとは「丸い」という意味です。「あらゆる側面」という意味です。
語学力があるに越したことないですけど、語学が先ではないよと。そういう(まるっと決め付けずに楽しむ)姿勢があり、今日やったような自分の伝えたい、やりたいものがあった上で、(さらに)語学力があれば、すごく生きてくると思います。
「コミュニケーション力」のところでは、お勧めの休日、東京での過ごし方というテーマをやりました。みんなも鹿児島から出てきて、そういうふうに感じた時期もあると思います。
やっぱりどかに答えを読みにいきたい。アウトソースしたい。任せてしまえば間違いないというのもあると思うんですけど、それはそれとして、すごく大切な人と一緒の機会があったならば、やっぱり自分の答えがいい。
自分がまずやってみる。僕は食べてみると言いますけども、おいしいものを誰かにごちそうしたいと思ったならば、すぐにアプリを見ない。自分で(お店に)行って(食べてみて)おいしいかどうかです。失敗したら笑い話にすればいいし、おいしかったら「やった!」って、何度か通うんです。それで、(お店の人と)仲良くなって、大事な人を連れてってあげる。そういう(自分でやって、失敗して自分の答えを創る)小さい経験を積み重ねていくとと、振り向けば大きな自分の財産になります。
日常の中で「自分の答え創る」ような行動をしてみてください。そうしたら自分の言葉で伝える。これが世界中どこに行っても共通する、使えるコミュニケーションだと思います。
最後は、自分で問題を創ったら“問題~課題~解決策”。問題解決では論理も使いますけど、そのスタートは論理ではない。“自分の思い”から生まれてきます。“思い”がある人は、論理も使って問題解決を考え抜いてみてください。
じゃ、今日はこれですべて終了となります。最後まで楽しんで参加いただきまして、ありがとうございました。ぜひ、難しいけど何とかしたいこと、やってみたいこと、たくさん見つけて、失敗も楽しんでまるっとね。これからの学生生活、それから就職する方は自分の仕事の生活を楽しんでください。
今日はどうもありがとうございました。