【第2回講座】『論語』から読み解く人材育成(前編)
- 講師
- 青柳 浩明(安岡活学塾 専任講師、岩崎育英奨学会 岩崎学生寮・事務長)
- インタビュアー
- 坂口果津奈(フリーアナウンサー)
- 放送予定日時
- 平成23年12月 6日(火) 26:15~26:45 ※以降随時放送
講座についてのご感想・ご質問はこちらから
平成23年度シリーズのご感想・ご質問の受付は終了いたしました。
青柳 浩明
岩崎育英奨学会 岩崎学生寮 事務長
安岡活学塾 専任講師
1966年東京都生まれ 明治大学卒業
幼少時から論語、漢籍を学び、ビジネス現場で実践や指導をおこなう。
主な著書「論語説法」(講談社)、「ビジネス訳論語」(PHP研究所)など。
講義内容
坂口:
先生、今日は論語から読み解く人材育成ということなのですけれども、最近本屋さんに行っても論語にかかわるビジネス書なども出ていたりしますが、論語というのは人材育成にどういうふうにかかわってくるのですか。
青柳:
そこは今の質問自体がもう既にいろいろな先入観とか誤解があるのですよね。論語というのはそもそも人材育成の書、人をいかに育てるか、自分をいかに成長させるかというための本なのです。本日はそこの先入観を払拭して人材育成についての教えをお話していければな、一緒に学んでいければなと思います。それでは坂口さん、こちらをご覧いただけますか。
坂口:
これはまた古い年季が入った本ですね。論語の本ですか。
青柳:
論語の解説書になります。漢字だらけですね。
坂口:
漢字だらけでちょっともう見たくないというのが。
青柳:
これが1600年代中盤に印刷された論語の本ですので皆さんはよく龍馬伝であるとか仁というドラマがあったと思いますが、あそこで子どもたちがこのように子曰く政をなすにと、こういう感じで読んでいるシーンがあった、その時に使っているのがこの論語です。
坂口:
じゃあこれを子どもたちが読んでいたということになるのですか。
青柳:
今私たちはいろいろな先入観を論語に持ってしまっていますので論語を遠ざけてしまっているというところで、まずその先入観を払拭したいと思います。これはだいたい私が講演とか講義をするときにアンケートを取るのですか、その時に上がってくるものばかりです。例えばすべてはマスターできない、これは読み始めていくとだいたいつき当たってしまうのですけれども駄目出しをされているように感じ始めるのですよね、こうしなければいけない、ああしなければいけないと。
坂口:
それはやはり道徳の本だからというのがあるわけですか。
青柳:
そういうふうに思われますよね。ですので読めば読むほど自分を窮屈にするように感じる人が多いと。ただ私に言わせると1つでもできれば十分です。私が経験上申し上げますと1つ実践されているなというふうに思われる方はだいたいそこの企業とか組織で一目置かれる存在です。2つ目の先入観は道徳だからビジネスに役立たないと。これは先ほど申し上げたようにそもそも道徳の本ではありません。人材育成というのは道徳だけでは人は使いものにならないですよね、いろいろな才能とか人格も磨かなければいけない、そういう学問、学びが論語です。3つ目の先入観は古臭い漢文はちょっと、こちらは先ほど申し上げたように中学、高校時代の漢文の授業でみんなアレルギー体質になっている方が非常に多いのです、漢文を見るだけで嫌だと。後でも触れますが論語というのは孔子さんという方が語った教えがまとめられているのですが、その教えを現代語訳でもいいので理解すれば私はもうそれで十分だと思います。4つ目ですが年輩の方が教養として読むものだと。
坂口:
そういうイメージがありますね。
青柳:
はい、でも論語は先ほど申し上げたように人材育成、ここは後ほど細かく触れていきますが、人材育成、あと自分を磨くためものですから現役時代に学んで実践してきた内容が多いのですね。ですので、もう引退してから学ぶというよりも現役の人こそ率先して学ぶべきという内容が多くなっています。坂口さんどうですか、一番うるさいなとかカチンとくるなとかいう指摘とかアドバイスをされたときというのはたいてい図星ではないですか。
坂口:
それはあるかもしれません、だからカチンとくるのでしょうね、当たっているから。
青柳:
最後ですけども宗教ではないかと言う方もいますが、宗教というのはいろいろな定義はあるのですが、例えば広辞苑ですと超越的な存在と自分との契約関係、つまり神様とかいう方と自分との契約関係が一般的に宗教というふうに定義されますけれども、論語の場合は自分ともう1人の自分との関係になります。もっと分かりやすく言うと人間は理性を持った自分と感情で動く自分というのが必ずあります。我を忘れるとかいうときがありませんか。
坂口:
あります。
青柳:
それは喜怒哀楽によってだいたい起こるのですが、そのときに後で振り返るとやらなかったというのが理性で考えている自分なのです。でもそのときもうやらざるを得ない。
坂口:
という自分もいると。
青柳:
そう、感情で動いてしまう、それをバランス良く1つにしようというのが論語だと思っていただければ、自分と自分の関係だと思ってもらえればいいと思います。
坂口:
では具体的に実践的に論語をちょっと教えていただきたいのですけれども。
青柳:
ではこちらをご覧いただけますか。こちらが先ほどご覧いただいた論語のあるページになります。
坂口:
漢字だらけですね。
青柳:
こちらは読んでいきますと、
「顔淵仁を問う、子曰く、己に克ちて礼に復(かえ)るを仁と為す、1日己に克ちて・・・」とかそういうふうに読んでいけばいい。
坂口:
すごい。
青柳:
と思いますよね。ただその時思い出してほしいのですが英語を最初に覚えた時ってどうでしたか。
坂口:
英語、アルファベット。
青柳:
私たちは日本人ですよね、最初はあの26個の記号にしか見えなかったのではないですか。
坂口:
最初はそうですね。
青柳:
例えばリンゴを「apple」と言いますがなぜ「p」が2つ重なるのだろうとか素朴にいろいろなことを不思議に思っていたはずなのです。それが自然と1個1個の記号が単語になって文章になってとそういう理解をされていったと思うのです。論語も先ほど申し上げたように寺子屋とかそういう小さい時から、3歳、4歳の時からずっと見ていけばだんだん読み方とかなじんでくるわけです。そのなじみが私たちは今はないのですごいというように思われるだけで実はそんなに大したことはないと。ただ時間はかかります。そこでこういう工夫をしています。ちょっと私がこの赤いところを読みますが、ちなみに今赤いところはある動物が隠れているのですが。
坂口:
動物の漢字は1つもないですよね。
青柳:
無いですよね。私がこれを読みますので連想する動物を言っていただけますか。「礼に非ざれば視ることなかれ、 礼に非ざれば聴くことなかれ、礼に非ざれば言うことなかれ。」
坂口:
あ、見ざる、言わざる、聞かざる。
青柳:
そうですね、日光東照宮のあのお猿さん。漢字で読むと難しいのですがこのお猿さんの彫刻を見ると、悪いことは聞いてはいけないのだな、変なものは見てはいけないのだな、余計なことは言ってはいけないのだなというのを学びますよね。それはこの論語に書いてあることなのです。ただそれをこの「礼に非ざれば」というふうに聞くと難しいのですが、言わんとしていることはあのお猿さんで表現されます。
こちら(のスライド)は論語を出典としている言葉です。聞いたことある言葉ばかりではないでしょうか。道徳とか啓発、自己啓発ということでよく聞きますね。遠慮、礼儀、上達。
坂口:
全部論語から来ているのですか。
青柳:
そうですね、あとは四字熟語ですと。
坂口:
温故知新、巧言令色、切磋琢磨もそうですね。
青柳:
そうですね、あと故事成語ですと「一を聞いて十を知る」と。あと組織団体名ですと書店で有名な三省堂さんとか有隣堂、あと学習院という学校がありますよね。
坂口:
はい、これは何か意味があるのですか。
青柳:
みんな意味があります。ただそれは今私たちが理解している意味と違う場合もあります。例えば参考までに遠慮というのがありますね。坂口さん、“遠慮”って普段どういう意味で使っていますか。
坂口:
ちょっと人に使って気を使うときに遠慮しますとか。
青柳:
となりますよね。本当の意味は、論語で言おうとしていた“遠慮”というのは今風に言うと、リスクマネジメントということなのです。これのもともとの言葉というのは“遠きおもんぱかり無ければ”、つまり遠きというのは将来のことですね、将来こうなるだろうああなるだろうというおもんぱかり、いろいろな配慮とかイメージをしていないと必ず近いうちに憂い、心配ごととか悩みごととか問題とか災が起こるよ、今がどんなに安心して安らぎでいる時でも今この発言とかこの振る舞いが先々何か災とか悪さをするのではないかと、当然それを考えると今ここで余計なことを言ってはいけないな、こういうことはしない方がいいのだなと思いますよね。見た目が最後に残って今私たちは使っているわけです。
坂口:
ただの一言でも深いですね。
青柳:
そうなのです。ここでものすごく簡単に論語というのは何かというのをお話したいと思います。(こちらのスライドで)三つ挙げます。1つは2,500年前の中国にいた孔子さんという人物と当時のお弟子さんたちまたは権力者とのやり取りが書かれているのが論語という本です。
坂口:
会話ということですか。
青柳:
はい、会話です。もう1つが人生で成功し安らかに生きるために大切なありとあらゆる教えが網羅されています。ここの大事なのはありとあらゆることが書かれているということをちょっと頭に入れておいてください。3つ目がバランスのいい人になれる。先ほど坂口さんは論語は道徳の本だというように、それ自体は嘘ではないのです、正しいのですよ。こちらをご覧いただきたいのですが2本柱、自分に対して、周りに対して、この2つでは論語では説かれ書かれています。世の中は自分1人ではないですよね、自分もいて周りもいてそれで世の中というのは成り立ちます。自分自身に対する振る舞い、あと周りに対する振る舞い、その2つがあったらこの人間社会は十分ですよね。
坂口:
生き抜けますよね。
青柳:
その2つさえあれば、それが書かれているのが論語なわけです。特にその周りに対してというところなのですが、これは“克己復礼”というのは先ほどお猿さんがいたところ、実はあのやり取りにも出てきていた言葉なのですが“己に克(か)ちて礼に復(かえ)る”と読むのですが、難しいことは説明抜きにしましてそれを現代語訳していくと今度は“修己治人”、自分を治めて人も修めると読めますよね。もうちょっと分かりやすく変換をすると道徳と政治となります。そこでようやく先ほどの道徳ともう1軸政治というのが書かれているわけです。もう少し分かりやすく言うと、横文字にするとセルフコントロールとリーダーシップ、マネジメントというのです。ですので古今東西経済界、もちろん戦国武将もそうですしいろいろな有名な方々、著名人の方々は生涯読まれ続けるわけです。それはなぜならば先ほどの周りに対して人をどうやったら動かせるのだろう、どうやったら無理なく自分の思うがままに人を動かすのではなくてどうやって折り合いをつけていけるのだろうというのが書かれているので論語を愛読書にするわけです。
坂口:
その人材育成の観点から見てみますと論語の特徴というとどういうものが挙げられますか。
青柳:
それではこちらの地図をご覧ください。こちらは孔子さんの生きていた時代、今から2,500年前の中国は春秋時代、この春秋という時代はピーク時には何千という国がありました。こちらの時代を代表する言葉に“春秋に義戦なし”(史記)という言葉があります。(どちらが正しいかという)よろしきこととかいうことがもうないと。つまり勝った方が正しかったと、それだけの弱肉強食の時代です。そういう時代に生きていた、それも小さい国、魯という国に生まれたのが孔子さんということです。先ほど国がたくさんあると申し上げました。それぞれの国にはそれぞれポストがあるわけですね。そうするとそこに仕官するためには雇用される能力を養う必要があります。その学びやが孔子さんが開いていた学校といいますか団体になります。そこで教えていたのが、書かれていたのが論語になります。
2つ目になりますけれども対機説法、先ほど会話のやり取りの話をしていましたけれども、参考にちょっとこちらを読んでみていただけますか。
坂口:
「子路問う、聞くままに斯れを行わんか。子曰わく、父兄の在すことあり、これを如何ぞ。」
青柳:
私が読みますと「それ聞くままに斯れを行わんや」と、わけが分からないですよね。青い字が孔子さんが言っている言葉です。これをマスターしよう、これを理解しようとするから論語が遠ざかっていくわけですね。
坂口:
普通にも読めないですものね。
青柳:
ではこれを普通(現代語)に変えてみますね。これが先ほどと同じことです。
坂口:
読みやすい。
青柳:
ある日のこと、子路という弟子がいました。その子路は指示されたら即行動という教えがありますけどどうしたものでしょう、どういうことでしょうかと孔子さんに聞くわけです。孔子さんはあなたにはお父さんもお兄さんもいるではないかと、まず意見を聞いてから行動するかどうか決めなさいと、すぐ行動しては駄目だよと最初に教えるわけです。またある日のこと今度は冉有という消極的な弟子がいるわけです。それが同じことを質問するのですね。指示されたら即行動という教えがありますがどういうことでしょうかと。そうすると孔子さんは今度はその通りだすぐ行動しなさいと言うわけです。それをたまたま聞いていたもう1人の公西華というお弟子さんがいるのですよ。その人は疑問に思うわけですね、子路という弟子に対する発言と冉有に対する発言が違いますと。
坂口:
答えが違いますよね。
青柳:
そう思いますよね。単純にまず子路というのは積極的過ぎるから抑えようとしている、冉有というのは消極的過ぎる、だから背中を押す、指導するということになります。ここで大事なのはその人その人に応じて教えていくというのが人材育成においては重要だというのが分かります。
3つ目の言葉ですが合理的であるとか普遍的というところですけれども、先ほど地図でご覧いただいたように弱肉強食の時代です。人をどう動かして国を守るか、そこはもう真剣で合理的なものでないと。
坂口:
生きていけなかったのですね。
青柳:
そういうことです。今2,500年後私たちは生きていますが同じ人間としてそれが利用できるわけです。そのことに気付いた人たちは論語を愛読書として読んでいます。
ではここから論語を読み解きながら人材育成で大事な3つのことをお話ししていきたいと思います。まず1つ目が教える側の心構えとして何が大事か、あとどう教えるかが2つ目、3つ目として何を教えるかについて論語を見ていきたいと思います。人を育てるというのは教える側と教えられる側の共同作業なわけですね。ということは自分の教えられる側の都合だけで何かを伝えようとしようとかいっても駄目なわけです。
坂口:
じゃあその人にとって自分がどういう存在なのかとかどういうふうに見られているかをまず知ることということですか。
青柳:
はい。ではこちらの章句をご覧ください。
坂口:
「子曰わく、人にして信なくんば、其の可なることを知らざるなり。大車げいなく小車に軏なくんば、其れ何を以てこれを行らんや。」
青柳:
孔子さんはこう言いましたと、人にして、人である以上、信なくんば、信用がなかったら、その其の可なるを、可というのは可能とかOKだということです。信用がなかったら何もOKではないよと言っているのです。それは大車にげいなくとかと、これは例えでいわゆる牛とか馬が引く荷台があるとするではないですか、それのときのくびきですね。
坂口:
つなぐものですか。
青柳:
そうです、つなぐものがないことと同じだよと言っているわけです。この字を見てほしいのですが言う人ですよね。
坂口:
信という字ですね。にんべんに言う。
青柳:
はい、これもこの字の通りでして言ったことを実行してくれる人。例えば私が上司だとして坂口さんから何か依頼、お願いされたとしましょう。私がやっておくよと一言言ったらそれは私がやる人間であることということなのです。それが坂口さんから私にもたらされる信頼ということになるわけです。
坂口:
その教える側が教えられる人から信頼を得ないと駄目だよということを言っているわけですか。
青柳:
そういうことです。まず信用を得ないと聞く耳を持たないじゃないですか。そこから始めましょうというのがここから学べる教えになるわけです。では続きまして教える側の心得の2つ目として信用を得るということにもなるのですがやってはならないことについて見てみたいと思います。こちらを読んでもらえますか。
坂口:
「子張曰く何をか四悪と謂う。子曰く教えずして殺す、之を虐と謂う。戒めずして成るを視る、之を暴と謂う。令を慢くして期を致す、之を賊と謂う。之を猶しく人に与うるに出納の吝かなる、之を有司と謂う。」
青柳:
これが四悪(よんあく)、四悪(しあく)と言ったりするのですが、具体的に見ますと教えずして殺す、これは何も普段注意とか指導をしておかないで結果が出てないではないか、だからあなたの評価は下げますよ。2つ目、戒めずして、何か悪いこと、ささいなことがあったときにそのとき注意を与えると、そういうことをしないでおいて成るを視る、もっと坂口さんなら、こういうふうにできると思っていた、もっといい結果を出せると思っていたよとかいうのを最後にポロッと言う、それを惨い暴力、暴と謂う。3つ目、“令を慢(ゆる)くして”、普段もう自由にやっていいよ、と坂口さんと言ったら自由にやりますよね。
坂口:
やりますね。
青柳:
そうしておいてあれどうなった、期は期間とか期待とになりますがそれを要求する、それを賊と謂う。あと4つ目ですけれども“之(これ)を猶(ひと)しく人に与うる”にというのは例えば私が課長で仮に部下だったとしましょう。私が人事考課の時にもし坂口さんに、“坂口さんもう少しここを頑張ってくれないとボーナスはちょっとあげられないよね”と言っておきながら、出納の吝(やぶさ)かなる、出納というのは出納帳とか会計の世界の言葉です、ここが出典なのですがお金を支払う段、ボーナスを支払う段になって吝かなる、文の口と書いて口を飾るという意味なのですよ、つまり言い訳をするわけです。あの時はボーナスをあげようと思ったのだけどもうちょっとやれると思うのだよね、だから今回はこれでとか最後になってけちんぼになる。
こちらは特に初めて管理職になったりした人が大事にしてほしい教えです。新しいことをやる前にやってはならないことをまずやめようというのがこの人間を一番傷つける教え、傷つけてしまう行為はこれですよというのがこの“四悪”というものです。これは似たような教えがございまして、これをちょっと読んでみてもらえますか。
坂口:
「一利を興すは一害を除くにしかず。 一事を増やすは一事を省くにしかず。」
青柳:
耶律楚材さんという人なのですがその方がおっしゃったのがこの言葉です。何か利益を得ようとするのならばまずみんなの困っていること、問題を取り除いてあげることが先だよと。しかずというのはもうそれには及ばないよということですね。あと一事、何か事業を増やそう、事業を起こそうとやる前に無駄な事業とか、例えば赤字の事業とか、それを省く、取り除いてしまう、そちらの方が先だよと。ここから読み取れるのは先ほどの人材育成に戻りますと先ほど新人管理職はいろいろなことをやりたがると言いましたよね。
坂口:
新しいことをするのではなくてまず無駄なものを省くとかということですか。
青柳:
そうです、そういうことです。特に先ほどの人の気持ちを傷つける4つの悪いこと、あれをまずやめる、それがまず信用を得る一番なわけですね。そうすると私が何か教えを伝えるときに坂口さんは心と耳を開いて聞いてくれるということになるかと思います。
坂口:
先生、今回のこの前編では論語から読み解く人材育成とはということで教える人の心得をいくつかポイントを教えていただきましたけれども、では後編ではどのようなことを。
青柳:
後編ではいよいよ、どう教えるか、何を教えるか。今回前編では論語の解説もありましたので教えというのはちょっと少なかったと思うのですけれども、後編ではたっぷりとどう教えるか。
坂口:
具体的に聞かせていただけるということですね。
青柳:
はい、お話したいと思います。
坂口:
はい、楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。
青柳:
ありがとうございました。